引当金

引当金は、２級の範囲として、商品（製品）保証引当金、退職給付引当金、修繕引当金があります。

その他、貸倒引当金もありますが、前に説明済みですので、それ以外について見ていきます。

◆商品（製品）保証引当金

商品や製品を販売する際に、販売後の故障や修理に対して、一定期間は無料で修理交換に応じることを条件としている場合に、販売後の修理交換のための費用を見積もっておき、引当金を計上します。

(1)決算時に引当金を計上

商品（製品）保証引当金繰入　××　商品（製品）保証引当金　××

(2)修理交換発生時

商品（製品）保証引当金　××　現金　××

(3)保証期間経過時

商品（製品）保証引当金　××　商品（製品）保証引当金戻入　××

◆退職給付引当金

将来、従業員の退職時に支払われる退職金の当期の負担分として、引当金を計上します。

(1)決算時に引当金を計上

退職給付引当金繰入　××　退職給付引当金　××

(2)退職金支払い時…退職給付引当金残高　＞　支払う退職金

退職給付引当金　××　現金　××

(3)退職金支払い時…退職給付引当金残高　＜　支払う退職金

退職給付引当金　××　現金　××
退職金　　　       ××

◆修繕引当金

企業の建物などの将来の修繕に備えて、当期の修繕費用を見積もり、引当金を計上します。

(1)決算時に引当金を計上

修繕引当金繰入　××　修繕引当金　××

(2)修繕代金の支払い時…修繕引当金　＞　支払う修繕代金

修繕引当金　××　現金　××

(3)修繕代金の支払い時…修繕引当金　＜　支払う修繕代金

修繕引当金　××　現金　××
修繕費　　    ××

(4)資本的支出がある場合

固定資産の通常の修繕のための費用は、上記のように処理されます。しかし、固定資産の能力などを高めたり、耐用年数を延長するための支出は改良として、固定資産の増加となります。改良として固定資産増加となる支出のことを、資本的支出といいます。

試験では、仕訳問題として、修繕代金の支払いの際に、資本的支出を含んだ問題が、よく出題されています。その場合の仕訳は次のようになります（建物についての修繕）。

建物　　　　  ××　現金　××
修繕引当金　××　
修繕費　　　  ××