◆個別原価計算の意義
個別原価計算は、種類の異なる製品を個別的に生産する業種に適用される原価計算です。個別原価計算では、特定の製品ごとに製造を命令する製造指図書が発行されます。そして、この指図書に基づいて製造が進められ原価が集計されます。
◆製造指図書と原価計算表
製造指図書には、製品の製造に必要な様々な情報が記載されます。No、品名、製造着手日、完成予定日などです。
この製造指図書に基づいて原価計算表を作成し、各製品ごとの製造原価を集計します。
原価計算表には、様々形式が考えられますが、次のものが記載されています。
①製造直接費欄…直接材料費、直接労務費、直接経費について記入されます。
②製造間接費欄…製造間接費の配賦計算によって各指図書に配賦された金額が記入されます。
③集計・合計欄…製造直接費欄と製造間接費欄は、その製品の完成によって締め切られ、各締め切りの金額を集計・合計欄に移して、合計額を製造原価とする。なお、未完成品の原価計算表は締め切らずに翌月に引き継がれます。
◆個別原価計算の方法と記帳
原価計算表に記入された原価要素の消費高などは、製造勘定にも記入されます。すなわち、原価計算表によって製造指図書別の製造原価の明細がわかり、製造勘定によって製造原価の総額を知ることができます。
試験でも、原価計算表に基づいて製造勘定や製品勘定を完成させる問題が、よく出題されています。
◆仕損費の処理
製造中に、材料の不良や機械の故障などの理由で合格品とならなかったものを仕損品といいます。仕損品が発生して、これを補修したり、または代品を製造するためにかかった費用を仕損費といいます。
個別原価計算において仕損品が発生した場合には、いくつかの処理方法が考えられます。補修指図書を発行する場合で、仕損費をその指図書に賦課する方法が2級の出題範囲となっています。
仕訳は次のようになります。
①補修指図書の発行・補修費用の集計
仕損費 ×× 材料 ××
労務費 ××
製造間接費 ××
②製造指図書への賦課
製造 ×× 仕損費 ××
◆作業屑の処理
製造過程で生じた材料の削り屑や残り屑を作業屑といいます。
個別原価計算では、作業屑が発生した場合は、売却可能額または利用価値がある場合には、見積もって評価をして、作業屑勘定で処理します。この場合、評価額を直接材料費または製造勘定から差し引く。なお、その発生が各製造指図書ごとに区別できないときは製造間接費から差し引く。また、その発生がわずかであるときは、評価せず、売却時に雑益とします。
①製造指図書の製造過程で作業屑が発生
作業屑 ×× 製造 ××
②無評価のまま売却
現金 ×× 雑益 ××
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