平成20年度税制改正のうち、主なものを掲載いたします。

◆法人関係税制

1.研究開発税制

試験研究費に係る特別税額控除制度について、試験研究費の増加分に対する特別税額控除割合を上乗せする特例を改組し、次の特例のいずれかを選択適用できる制度を創設する。この制度における控除税額は、試験研究費の総額に係る特別税額控除制度又は中小企業技術基盤強化税制とは別に、当期の法人税額の100分の10相当額を限度とする。

(1)平成20年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する各事業年度において、試験研究費の額が比較試験研究費の額を超え、かつ、基準試験研究費の額を超える場合には、試験研究費の額が比較試験研究費の額を超える部分の金額の100分の5相当額の特別税額控除ができることとする。

(2)平成20年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する各事業年度において、試験研究費の額が平均売上金額の100分の10相当額を超える場合には、その超える部分の金額に特別税額控除割合を乗じた金額の特別税額控除ができることとする。

(注)特別税額控除割合は、試験研究費割合から100分の10を控除した割合に0.2を乗じた割合とする。

2.情報基盤強化税制

情報基盤強化税制について、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人等について、取得価額の合計額の最低限度を70万円(現行300万円)に引き下げる等の見直しを行ったうえ、その適用期限を2年延長する。

3.減価償却制度

法定耐用年数について、機械及び装置を中心に、実態に即した使用年数を基に資産区分を整理するとともに、法定耐用年数を見直す。なお、この改正は、既存の減価償却資産を含め、平成20年4月1日以後開始する事業年度について適用する。

◆中小企業関係税制

1.特定中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例の創設

(1)居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者(以下「居住者等」という。)が、その年中に特定中小会社であって次の要件を満たす株式会社に出資した金額について、1,000 万円を限度として、寄附金控除を適用する。

①設立1年目の株式会社・・・中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に規定する特定新規中小企業者

②設立2年目又は3年目の株式会社・・・特定新規中小企業者であって前事業年度及び前々事業年度における営業活動によるキャッシュ・フロー(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第112条第1号に掲げる営業活動によるキャッシュ・フローをいう。)が赤字であるもの

(2)特定中小会社に出資した金額のうち、本特例の適用を受けて総所得金額等から控除した金額は、取得した特定中小会社の株式の取得価額から控除する。

(3)特定中小会社が発行した株式に係る譲渡所得等の2分の1課税の特例については、所要の経過措置を講じた上、廃止する。

(注)上記の改正は、平成20年4月1日以後に特定中小会社の株式を払込みにより取得する場合について適用する。

2.教育訓練費が増加した場合の特別税額控除制度について、対象を中小企業者等に限定するとともに、労働費用に占める教育訓練費の割合が100分の0.15以上の場合に、教育訓練費の総額に、労働費用に占める教育訓練費の割合に応じた特別税額控除割合(100分の8〜100分の12)を乗じた金額の特別税額控除ができる制度に改組した上、本特例を中小企業等基盤強化税制の中に位置付ける。

(注)特別税額控除割合は、労働費用に占める教育訓練費の割合から100分の0.15を控除した割合に40を乗じたものに100分の8を加算した割合とする。

3.交際費等の損金不算入制度について、中小企業者に係る400 万円の定額控除の適用期限を2年延長する。

4.欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度について、中小企業者の設立後5年間に生じた欠損金額に係る適用除外措置の適用期限を2年延長する。

5.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限を2年延長する。

◆金融・証券税制

1.上場株式等の譲渡所得等に対する課税

(1)上場株式等に係る譲渡所得等の7%軽減税率の廃止

上場株式等の譲渡所得等に係る税率については、平成20年12月31日をもって7%(住民税とあわせて10%)軽減税率を廃止する(平成21年1月1日以後は15%(住民税とあわせて20%)となる。)。

(2)特例措置

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に上場株式等を譲渡した場合には、その年分の上場株式等に係る譲渡所得等の金額のうち500万円以下の部分については、7%(住民税とあわせて10%)とする。

(3)源泉徴収口座における源泉徴収税率の特例

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)の源泉徴収口座における源泉徴収税率は、7%(住民税とあわせて10%)とする。この場合において、源泉徴収口座の上場株式等に係る譲渡所得等の金額と源泉徴収口座以外の上場株式等に係る譲渡所得等の金額の合計額が500万円を超える者については、その超える年分について、源泉徴収口座の譲渡所得等に係る申告不要の特例は適用しない。

2.上場株式等の配当所得に対する課税

(1)上場株式等に係る配当等の7%軽減税率の廃止

居住者等が支払を受けるべき上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率については、平成20年12月31日をもって7%(住民税とあわせて10%)軽減税率を廃止する(平成21年1月1日以後は15%(住民税とあわせて20%)となる。)。

(2)源泉徴収税率の特例措置

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に居住者等が支払を受けるべき上場株式等の配当等(大口株主が支払を受けるものを除く。以下同じ。)に対する源泉徴収税率を7%(住民税とあわせて10%)とする。この場合において、その年中の上場株式等の配当等(年間の支払金額が1万円以下の銘柄に係るものを除く。)の金額の合計額が100万円を超える者については、その超える年分について、当該上場株式等の配当等に係る申告不要の特例は適用しない。

(3)上場株式等の配当所得の申告分離選択課税の創設

平成21年1月1日以後に居住者等が支払を受けるべき上場株式等の配当所得については、当該居住者等は15%(住民税とあわせて20%)の税率による申告分離課税を選択できることとする。この場合において、申告する上場株式等の配当所得の金額の合計額について、総合課税と申告分離課税のいずれかの選択適用とする。

(4)申告分離選択課税の税率の特例措置

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)に上場株式等の配当等の支払を受ける場合に、その年分において申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得の金額のうち100万円以下の部分については、7%(住民税とあわせて10%)とする。

(注)上記の改正は、平成22年1月1日以後に支払う上場株式等の配当等について適用する。

3. 損益通算の特例

(1)上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当所得との間の損益通算の特例の創設

その年分の上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるとき又はその年の前年以前3年内の各年に生じた上場株式等の譲渡損失の金額(前年以前に既に控除したものを除く。)があるときは、これらの損失の金額を上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。)から控除するものとする。

(注)上記の改正は、平成21年分以後の所得税について適用する。

(2)源泉徴収口座内の上場株式等の配当等に対する源泉徴収税額の計算の特例の創設(源泉徴収口座内における損益通算)

源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等に対する源泉徴収税額を計算する場合において、当該源泉徴収口座内における上場株式等の譲渡所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、当該配当等の額から当該譲渡損失の金額を控除した金額に対して源泉徴収税率を乗じて徴収すべき所得税の額を計算する特例を創設する。 この場合において、当該上場株式等の譲渡損失の金額につき、申告により、他の株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る配当所得の金額から控除するときは、本特例の適用を受けた上場株式等の配当等については、申告不要の特例は適用しない。

(注)上記の改正は、平成22年1月1日以後に支払う上場株式等の配当等について適用する。

◆土地・住宅税制

1.住宅の省エネ改修促進税制の創設

(1)住宅の省エネ改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の創設

①居住者が、その者の居住の用に供する家屋について一定の省エネ改修工事を含む増改築等(以下「省エネ改修工事等」という。)を行った場合において、当該家屋を平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間にその者の居住の用に供したときは、一定の要件の下で、その省エネ改修工事等に充てるために借り入れた住宅借入金等の年末残高の1,000万円以下の部分の一定割合を所得税の額から控除する。この特例は、下記(2)の所得税額の特別控除との選択適用とし、控除期間は5年、控除率については、次のとおりとする。

省エネ改修工事等に係る住宅借入金等の年末残高のうち、
イ.特定の省エネ改修工事に係る工事費用(200万円を限度)に相当する部分の金額・・・2%
ロ.イに掲げる住宅借入金等の年末残高以外の金額・・・1%

(注1)上記の「一定の省エネ改修工事」とは、①居室の全ての窓の改修工事、又は①の工事と併せて行う②床の断熱工事、③天井の断熱工事若しくは④壁の断熱工事で、次の要件を満たすものをいう。
イ.改修部位の省エネ性能がいずれも平成11 年基準以上となること
ロ.改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること
ハ.その工事費用の合計額が30万円を超えるものであること

(注2)上記の「特定の省エネ改修工事」とは、(注1)に定める工事のうち、改修後の住宅全体の省エネ性能が平成11 年基準相当となると認められる工事内容のものをいう。

(注3)上記の「一定の要件」について、以下のとおりとする。
イ.住宅借入金等について、償還期間5年以上の一定の住宅借入金等を適用対象とする。
ロ.本税制の適用については、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する省エネ改修工事等の証明書を要するものとする。
ハ.その他現行の住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除と同様の要件とする。

②二以上の居住年に係る住宅の取得等に係る住宅借入金等の金額を有する場合の控除額の計算の調整措置その他所要の措置を講ずる。

(2)住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、現行制度において適用対象となっている大規模の修繕又は模様替等に加え、大規模の修繕又は模様替等に至らない一定の省エネ改修工事を適用対象に加える。

(注1)上記の「一定の省エネ改修工事」とは、①居室の全ての窓の改修工事、又は①の工事と併せて行う②床の断熱工事、③天井の断熱工事若しくは④壁の断熱工事で、次の要件を満たすものをいう。
イ.改修部位の省エネ性能がいずれも平成11 年基準以上となること
ロ.改修後の住宅全体の省エネ性能が改修前から一段階相当以上上がると認められる工事内容であること

(注2)本税制の適用については、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関又は建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する省エネ改修工事等の証明書を要するものとする。

(注3)上記の改正は、増改築等をした居住用家屋を平成20年4月1日から平成20年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合について適用する。

2.住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の適用期限を2年延長する。

◆公益法人制度改革への対応・寄附税制

1.公益法人制度改革への対応

公益法人制度改革による新たな法人制度の創設に伴い、次のとおり公益法人関係税制の整備等を行う。

(1)新たな法人制度における社団法人・財団法人に対する課税

①公益社団法人及び公益財団法人
イ.各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。なお、収益事業の範囲から公益目的事業に該当するものを除外する。                                          ロ.各事業年度の所得の金額に対して30%(所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%)の税率を適用する。
ハ.収益事業に属する資産のうちから自らの公益目的事業のために支出した金額は、その収益事業に係る寄附金の額とみなす。
ニ.寄附金の損金算入限度額は、次のいずれか多い金額とする。
(イ)所得の金額の100分の50相当額
(ロ)上記ハの金額のうち、公益目的事業のために充当し、又は充当することが確実であると認められるもの
ホ.公益社団法人及び公益財団法人が支払を受ける利子等に係る源泉所得税は非課税とする。

②収益事業課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人
イ.次の一般社団法人及び一般財団法人については、各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得について法人税を課税する。
(イ)剰余金の分配を行わない旨が定款において定められていること等の要件に該当する一般社団法人及び一般財団法人
(ロ)会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としていること等の要件に該当する一般社団法人及び一般財団法人
ロ.各事業年度の所得の金額に対して30%(所得の金額のうち年800万円以下の部分については、22%)の税率を適用する。

③全所得課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人 一般社団法人及び一般財団法人のうち上記①及び②のいずれにも該当しないものは、法人税法上、普通法人とする。

④特例民法法人 従前どおり、所得税法上の公共法人等及び法人税法上の公益法人等とする。

(2)寄附税制について、特定公益増進法人及び相続財産を贈与した場合に相続税が非課税とされる法人の範囲に、公益社団法人及び公益財団法人を加えるほか、特例民法法人に係る所要の経過措置等を講ずる。また、公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税の特例について、次の措置等を講ずる。

①非課税特例の対象となる法人(以下「対象法人」という。)に公益社団法人及び公益財団法人並びに特定の一般社団法人及び一般財団法人(上記(1)②イ(イ)に掲げるもの)を加える。

②寄附を受けた財産(以下「寄附財産」という。)が公益事業の用に供されなくなったこと等一定の事由により非課税承認が取り消された場合には、対象法人に対して、寄附時の譲渡所得等に係る所得税を課税する。

③対象法人が、寄附財産を直接公益事業の用に供した後に譲渡し代替資産を取得した場合には、一定の要件の下で非課税特例を継続適用する。

(3)次のとおり、公益法人関係税制等について所要の整備を行う。

①公益社団法人及び公益財団法人に係る役員の変更登記等又は公益認定の際の変更登記について登録免許税を非課税とするほか、一般社団法人及び一般財団法人の設立登記等について1件につき6万円等の登録免許税を課税する等の措置を講ずる。

②一般社団法人及び一般財団法人を消費税法別表第三に加える。

③関連諸制度の整備
イ.法人税関係
(イ)収益事業の範囲について、労働者派遣業の追加、技芸の教授業に係る除外措置の見直しのほか、所要の整備を行う。
(ロ)法人が収益事業課税から全所得課税へ移行した場合には、原則として、簿価純資産価額から利益積立金額を控除した金額を益金の額に算入する。また、法人が全所得課税から収益事業課税へ移行した場合には、解散及び設立があったものとして取り扱うなど、法人につき課税所得の範囲の変更等があった場合の所要の調整を行う。
ロ.所得税及び法人税における外国公益法人等の指定制度について、所要の経過措置を講じた上で廃止する。
ハ.一般社団法人及び一般財団法人等の持分の定めのない法人への贈与等を通じた贈与税等の租税回避について、所要の措置を講ずる。

2.寄附税制

(1)特定公益増進法人等に係る寄附金の損金算入限度額について、所得基準を所得の金額の100分の5(現行100分の2.5)相当額とする。

(2)認定NPO法人制度の認定要件等について、見直しを行う。

◆国際課税

◆納税環境整備

1.税務手続の電子化促進措置

(1)電子申告における第三者作成書類の添付省略の対象書類の追加

所得税の確定申告書の提出を電子情報処理組織を使用して行う場合において、一定の要件の下、税務署への提出又は提示を省略することができる第三者作成書類の範囲に、次の書類を加える。

①給与所得者の特定支出の控除の特例に係る支出の証明書
②雑損控除、寄附金控除、勤労学生控除の証明書等
③個人の外国税額控除に係る証明書
④住宅借入金等特別控除に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
⑤バリアフリー改修特別控除に係る借入金年末残高証明書(適用2年目以降のもの)
⑥政党等寄附金特別控除の証明書

(注)上記の改正は、原則として、平成20年1月4日以後に、平成19年分以後の所得税の確定申告書の提出を電子情報処理組織を使用して行う場合について適用する。

(2)電子納税の新たな納付手段の創設

国税の納付手続について、あらかじめ税務署長に一定の事項を届け出た場合には、インターネットバンキングを経由しない電子情報処理組織による納付手続を行うことができることとする。

(注)上記の改正は、平成21年9月1日以後に行う電子情報処理組織による納付手続について適用する。

(3)納税証明書の電子申請による書面交付

国税の納税証明書の書面による交付について、電子情報処理組織を使用して交付を請求した場合には、一定の方法により送付に要する費用を納付して、当該証明書の送付を求めることができることとする。

(注)上記の改正は、平成20年1月4日以後に行う請求について適用する。

◆地域間の財政力格差の縮小

地方税制については、更なる地方分権の推進とその基盤となる地方税財源の充実を図る中で、地方消費税の充実を図るとともに、併せて地方法人課税のあり方を抜本的に見直すなどにより、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築することを基本に改革を進める。

この基本方向に沿って、消費税を含む税体系の抜本的改革において、地方消費税の充実と地方法人課税のあり方の見直しを含む地方税改革の実現に取り組む。

消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、「地方法人特別税」及び「地方法人特別譲与税」を創設することにより、偏在性の小さい地方税体系の構築を進める。

1.地方法人特別税

(1)納税義務者

法人事業税(所得割又は収入割)の納税義務者とする。

(2)課税標準

標準税率により計算した所得割額又は収入割額とする。

(3)税率

①付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率148%

②所得割額によって法人事業税を課税される法人の所得割額に対する税率81%

③収入割額によって法人事業税を課税される法人の収入割額に対する税率81%

(4)賦課徴収

地方法人特別税の賦課徴収は、都道府県が法人事業税の例により併せてこれを行うこととする。

(注)上記の改正は、平成20年10月1日以後に開始する事業年度から適用する。

◆備考

事業承継税制

事業承継税制の抜本見直しについては、中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)の制定を踏まえ、平成21 年度税制改正において、以下を骨子とする事業の後継者を対象とした「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。

本制度は中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)施行日以後の相続等に遡って適用する。

この新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。

その際、格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等相続税を巡る今日的課題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討する。

(1)事業承継相続人が、非上場会社を経営していた被相続人から相続等によりその会社の株式等を取得しその会社を経営していく場合には、その事業承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式等(相続開始前から既に保有していた議決権株式等を含めて、その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達するまでの部分)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予する。

(注1)「事業承継相続人」とは、中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)における経済産業大臣の認定を受けた一定の中小企業の発行済株式等について、同族関係者と合わせその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中で筆頭株主である後継者をいう。

(注2)会社を経営していた被相続人は、その会社の発行済株式等について、同族関係者と合わせその過半数を保有し、かつ、その同族関係者(事業承継相続人を除く。)の中で筆頭株主であったことを要する。

(2)納税猶予の対象となる株式等のみを相続するとした場合の相続税額から、その株式等の金額の20%に相当する金額の株式等のみを相続するとした場合の相続税額を控除した額を猶予税額とする。

(3)その事業承継相続人が納税猶予の対象となった株式等を死亡の時まで保有し続けた場合等の一定の場合には、猶予税額を免除する。

(4)その事業承継相続人が、相続税の法定申告期限から5年の間に、代表者でなくなる等により、中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)に基づき経済産業大臣の認定が取り消された場合等には、猶予税額の全額を納付する。

(5)上記(4)の期間経過後において、納税猶予の対象となった株式等を譲渡等した場合には、その時点で、納税猶予の対象となった株式の総数等に対する譲渡株式の総数等の割合に応じた猶予税額を納付する。

(6)上記(4)又は(5)により、猶予税額の全額又は一部を納付する場合には、その納付税額について相続税の法定申告期限からの利子税も併せて納付する。

(7)この特例の適用を受けるためには、原則として、納税猶予の対象となった株式等のすべてを担保に供しなければならない。

(8)個人資産の管理等を行う法人の利用等による租税回避行為を防止する措置を講ずる。

(9)中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)の施行日以後に開始した相続等から適用を可能とする措置その他所要の措置を講ずる。

(10)現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は、所要の経過措置を講じた上で廃止する。

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プロフィール

税理士 内山誠
東京税理士会 青梅支部所属
税理士登録番号 69756

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〒205-0001
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